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© Masaya Suzuki Architects

www.masayasuzuki.jp

Place with a Bench

縁台のある居場所

Monument / Bench

東都大学の沼津キャンパスはシティホテルを転用した前衛的な試みを実践している学校である。ホテルのような見た目を少しでも払拭し大学らしくなる提案をしてほしいという依頼を受けた。
そこで単なる装飾的なモニュメントで終わらせることのない、長い時間をかけて町や人々に対して良い変化をもたらせる建築的な居場所づくりはできないかと考えた。検討を重ねて生まれた計画は、縁台、塀、照明、造園、そして大学の看板だった。それらの5つの要素のバランスの取れた配置を慎重に検討し、関係性を持つ建築的な空間を生み出した。人が寛ぐ縁台があり、寄り添う塀があり、頭上には木陰を作る枝葉があり、照明による仄かな光が照らされる。するとそこは家のような親密な居場所となる。縁台は耐久力のあるイペ材でつくられており、単純な長方形の座面で奥行き60cm、幅2.5mと広めの設計として多人数で多用途に利用できる。大学が敷地の一部を地域に開放し、誰もが利用できる縁台で人と人が繋がってゆく。造園で植えた桜の木は移ろう季節を体感させながら街ゆく人々を見守ってくれるだろう。小さな計画ではあるが、縁台のある居場所から数多くの物語が生み出されることを願っている。

CREDIT

設計

鈴木雅也建築設計事務所 / 鈴木雅也

看板製作

Sa/Hi / 田中潤

文字デザイン

tempera / 高階 瞬

施工
撮影

鈴木雅也

DATA

名称

縁台のある居場所

所在地

静岡県浜松市

計画種別

新築

用途

モニュメント / ベンチ

施工面積

12.64㎡

設計期間

2022年1月〜2023年3月

施工期間

2023年4月〜2023年5月