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© Masaya Suzuki Architects

www.masayasuzuki.jp

House in Hiroo

広尾の家

Private Residence

都内にあるマンションの一室のフルリノベーションである。
マンション周囲や敷地内には丁寧に手入れされた多様な樹木が生い茂り、都心とは思えないような豊かな自然環境が広がっていた。住戸は角部屋で北東南に窓があり、どの窓からも目線の高さに見える緑が印象的であった。そんな住戸が持つ潜在的な魅力を最大限に活かした計画を目指した。間取りの変更としては水廻りを住戸の中心に配置し、その廻りを回遊する計画としたことが大きなポイントとなっている。結果的にどの場所でも窓越しに緑を眺められ、住戸の端から端まで視線が通るので床面積以上の広さを体感できる。また風や光も澱まずに住戸内を抜けるので、住環境も飛躍的に向上したように感じる。既存アルミサッシ手前には木製ガラス戸を新たに設置し、遮音・断熱性能と内部空間の質を高めている。木製ガラス戸の裏に簾や木製ブラインドを設置し室内光量を調整しながら外の緑も眺められるように配慮した。床は椹の無垢材、壁と天井は漆喰塗など自然素材を使用し、アレルギー疾患を持つ施主の身体的な負担を軽減している。都内でありながらどこか山荘にいる感覚を思わせる落ち着きのある静謐な空間となったように思う。

CREDIT

設計

鈴木雅也建築設計事務所 / 鈴木雅也

置家具

hao&mei / 傍島浩美

撮影

鈴木研一

DATA

名称

広尾の家

所在地

東京都渋谷区

計画種別

改修

用途

専用住宅

施工面積

97.54㎡

設計期間

2022年10月〜2023年4月

施工期間

2023年5月〜2023年9月