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© Masaya Suzuki Architects

www.masayasuzuki.jp

Corriders of Time

時の回廊

Villa / Hotel

時の回廊は、北軽井沢の自然豊かな別荘地の別荘兼ホテルの計画である。
計画地は、大きな岩が散在し高低差がある複雑な土地となっていた。敷地の状況や施工性を考慮し、導かれたのは敷地の中心に位置し、岩と岩の間に挟まれた平場にポンと立つ正12角形の建築の姿だった。正12角形という建築の形状は時計の針のように中心を軸にぐるりと回遊ができる回廊的な性質を持つ。そこで内回廊(階段室)と外回廊(居室)の性質の異なる2重回廊の構成の可能性を考えた。異なる2つの回廊は、あたかも時計の短針と長針のように、それぞれ違う時を刻みながら、それぞれが融合して重なり合うことで、北軽井沢の自然を五感全てを使って十二分に味わうことができる空間を創り出す。1階は、階段室への入り口と深い軒下空間に駐車スペースと設備機器置場を設けている。2階は、宿泊者の寝室を2室設けている。3階は、外回廊である居間・食堂等の主要空間が360度回遊しながら広がっている。1,2階と内回廊はRC造、3階は木造の混構造となっており、湿気に強く、上階になるほど広がる平面型をしっかりと支える構造形態となっている。内回廊は荒々しいRC造で作られた外部空間である。上下に吹き抜ける風や音、小鳥や虫の鳴く声、木々や葉が擦れる音など、視覚以外の知覚情報を敏感にさせ、まるで別の世界にいるかのように時の流れが遅く感じる特殊な空間になっている。一方で、外回廊は木造で作られ、架構現しの木の温もりを感じる明るく開放的な空間となっている。この性質の全く異なる2つの回廊によって、人は心身共に深く癒されるのではないだろうか。

CREDIT

設計

鈴木雅也建築設計事務所 / 鈴木雅也

担当

細川祐人

構造監修

KMC / 蒲池健

DATA

名称

時の回廊

所在地

北軽井沢

用途

別荘 / ホテル

構造

混構造(1,2階RC造+3階木造)

規模

地上3階建

敷地面積

4,808.82㎡

室内床面積

248.02㎡

施工床面積

453.64㎡

建築面積

200.48㎡

最高高さ

9.91m(階段室棟屋含まず)